もし引越しの日にストーブ、ファンヒーターに灯油が残っていたら

引越しで石油ストーブや石油ファンヒーターを運ぶときまでに、内部に残った灯油は燃焼しきることが推奨されます。それは少しでも灯油が残っていると運搬中に外に漏れだすことがあるからです。他に荷物に移った灯油のにおいはしばらくとれません。

それでも引越しする時まで使い切ることができずストーブやファンヒーターの中に灯油が残ってしまったときどうするか説明します。

石油ストーブとファンヒーター
1万人の荷物を運んだ経験から...
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引越しでダルマ式ストーブに灯油が残ったとき

引越しでダルマ式ストーブを運ぶとき、点火部が他と接触して思わぬ事故にならないように最初に乾電池を取外します。

イラストの様なダルマ式のストーブは手動式のポンプを使って余った灯油を本体から直接ポリタンクに移します。

手動式ポンプ

完全に灯油を抜き取ることは困難ですが、運ぶときにストーブが倒れない限り灯油が漏れ出す可能性は構造的に低いです。

載せてあるだけの不安定な燃焼筒は取外して別に梱包したほうが安心です。

購入時の箱が残っていればそれに入れます。なければほこりがかからないようにポリ袋に入れてあとは引越し業者にまかせます。

引越しでタンク式石油ストーブ、ファンヒーターの中に灯油が残っているとき

実際の引っ越しの現場ではダルマ式のストーブよりもタンク式の石油ストーブとファンヒーターが圧倒的に多いです。

タンク式ストーブとは文字通り燃料タンクが本体から切り離せるストーブのことで、引越しで運ぶ際には灯油が残っているとダルマ式のものより少し面倒です。それは構造上、動かしたり傾けたりすることで灯油が外に漏れやすいからです。

燃料タンク

引越しの際は点火部が他と接触して思わぬ事故にならないように最初に乾電池を取外します。(ファンヒーターには電池はついていません。)

引越しの時に燃料タンクに灯油が残っていればポンプでポリタンクにもどします。

中の灯油を完全に抜き取るのは困難なので、ストーブ本体とは切り離して運びます。中に少量の灯油が残っているだけなので蓋の方を上にして運べば灯油漏れのリスクは少ないと思います。

本体に残っている灯油を移すために最初にフィルターを外します。フィルターは固定されていないので手で簡単に取れますが、灯油に浸っているので汚れないように注意します。

本体から手動ポンプで直接ポリタンクに灯油を移します。約200~300mlを吸い上げできると思います

灯油がたまっているところの底は浅いので電動のポンプではおそらく吸い上げられないと思います。

完全に抜き取ることはできませんが、ここまでやれば輸送中に灯油が漏れ出す可能性はかなり低くなります。

それ以上に灯油だまりの灯油を抜き取りたい場合は灯油用スポイトを使います。

灯油用スポイト
灯油用スポイト

載せてあるだけの不安定な燃焼筒は取外して別に梱包して運んだほうが安心です。

ここまでやっても灯油が漏れる不安があります。ただ、ほとんどの灯油は抜き取られているので漏れたとしても少量です。後は万が一灯油が漏れても最小限の被害に食い止めるためにポリ袋の上に新聞紙を重ね、その上にストーブを置いて梱包します。ポリ袋の原料のポリエチレンは灯油に溶けにくいと読んだことがあります。

実際ポリ袋が灯油に溶けるかどうかわかりませんが漏れ出すまでの時間稼ぎにはなると思います。この方法で他の荷物を灯油で汚したことはいままでありません。